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【あ行】 朝生(あさなま)
浅生ともいい、その日に売ることを目的として朝から作り始める菓子で、餅菓子や団子、葛菓子などです。煉切や羊羹、求肥などの上生菓子に対する言葉です。比較的安値で、家庭で日常的に食べられるものが多い。
【あ行】甘納豆(あまなっとう)
小豆、うずらまめ、きんときまめ、いんげんまめ、そらまめ、ささげ、グリンピースなどを砂糖液に漬けて甘く煮詰め、さらに白砂糖をまぶしつけたもので、砂糖漬け菓子の一つです。豆以外の栗やさつまいもでつくったものもあります。材料によって味わいが違う楽しさがあります。
【あ行】アミロ-ス
澱粉でブドウ糖が直鎖状に結合しています。アミロペクチンと共に澱粉の成分で天然澱粉は両者の混合物です。天然澱粉中には20~35%含まれますが、もち米にはほとんど含まれていません。
【あ行】アミロペクチン
澱粉でブドウ糖の直鎖から分枝しているものです。もち米の澱粉はアミノペクチンのみで、これに対してうるち米はアミノペクチンが約80%、アミロ-スが20%です。もち米とうるち米の性質が異なる要因になっています。
【あ行】あられ
もち米を主原料とした焼き菓子で、降ってくるあられに似ているので、この名があります。本来は、餅をさいの目に切り、炒ってふくらませたものでした。あられは、すでに平安時代に鏡もちを欠き砕いてつくったようだといわれています。商品として多量に生産されるようになるのは、江戸時代になってからといわれています。関東では「あられ」「おしおせん」、関西では「おかき」「かき餅」といわれます。
【あ行】有平糖(あるへいとう)
有平糖はポルトガル語のALFELOA(砂糖)が訛ったもので、南蛮菓子の一つです。"阿留平糖"などと当て字されています。江戸時代中期になって砂糖が広く出回るようになると、色や形に美しい意匠を凝らした四季の細工菓子として珍重されるようになります。生地作りは、砂糖と水、水飴の配合や煮詰める加減が難しく、気候や用途によっても変わるため、単純ながら細やかな気配りが必要なお菓子です。茶席では噛む音がしないよう、糖化した有平糖が好まれ、店売りや工芸菓子の場合は、光沢のある方が求められます。
【あ行】α化 (アルファーか)
澱粉に水を加え加熱すると糊化します。これをα化といいます。ウエファースはα化度が高い食品です。
【あ行】 淡雪羹(あわゆきかん)
「泡雪羹」とも書きます。泡立てた卵白と寒天液を混ぜて、45℃くらいに冷ましてから流し固めたもので、雪のように真っ白で、ふわふわと柔らかい口当たりになります。単独で使うほか、他の色の錦玉などと流し合わせたり、刷毛に含ませていら引きのように使うこともあります。
【あ行】按配(あんばい)
塩梅とも書き、味や加工、配合等の加減や、出来具合等総合的なバランスを指します。
【あ行】餡平(あんぺい)
工芸菓子に使う生地で、砂糖、餡、小麦粉・餅粉などの粉類からできています。同じく工芸菓子に使う雲平に比べて、ある程度頑丈で、ひびも入りにくく、艶が出やすい特徴があります。主に、木の葉、茎、幹、器などを作る時に使います。
【あ行】 石衣(いしごろも)
半乾きのあん玉に糖衣をかけたもので、半生菓子の一種です。白い砂糖の衣を通して見えるあんの色が美しく美味しさを誘います。
【あ行】イスハタ
膨張剤の一種、炭酸アンモニュウムをベースに、澱粉と重曹を混ぜて作られます。
【あ行】異性化糖(いせいかとう)
澱粉を糖化して出来る果糖系甘味料。澱粉から出来たブドウ糖に異性化酵素を作用させたブドウ糖と果糖をもった糖です。甘味が強い。水分活性を低くし湿潤作用があります。
【あ行】 一文字(いちもんじ)
平らな銅又は鉄製の板で、厚さ9㎜くらい。平鍋ともいいます。どら焼きなどを焼いたり、薯蕷饅頭・雪平・煉切などの天焼きなどにも使用します。
←一文字(全国和菓子協会『菓子製造全書』より)
【あ行】亥の子餅(いのこもち)
陰暦10月の初亥の日に行われる収穫祭のひとつが「亥の子」。この日に餅を食べると万病を除き、長寿を保つとされ、更には(亥=イノシシ は毎年12匹の子を生むという伝説から)多産の祈りも込められます。また、亥は陰陽五行説でいう陰極(水性)にあたり、火難を逃れるという信仰があったため、茶の湯ではこの日に風炉をしまい茶室に地炉を開いて、新茶の壺を開く「口切り」の茶会を催します。
(朝廷で柿・栗・胡麻など7種に分けて作られたのに倣い、秋に収穫されるものを数種使って作られます。)
【あ行】いら
すり蜜のこと。
【あ行】イラ粉
新引粉・真引粉(しんびきこ)
【あ行】いら引き(いらびき)
すり蜜を季節に応じた適温(40℃~42℃位)に加熱し、お菓子に刷毛目が点々とつくようにはけ引きする方法のことです。はけにたっぷりと含ませて、サッと渦を描くように塗ります。半生菓子や煎餅、羊羹などによく用いられる方法で、えら引き、いら立て、えら立て、いらがけ、えらがけ等とも呼ばれます。
【あ行】外郎(ういろう)
外郎は元来、頭痛を取り口中を爽やかにする薬としての名前でした。中国の元の国が滅亡したとき、元の大医院礼部員外郎職にあった陳宗敬が博多に亡命し、外郎延祐と名乗ってこの薬を創製した、と伝えられています。歌舞伎十八番で知られる「外郎売り」も、この薬売りのことです。これが大層苦いので、禁裏へ献上の際、口直しとして添えたのが、黒砂糖と米粉で作った菓子"ういろう"です。その後外郎氏は小田原に移り、薬と菓子双方を商って発展します。外郎菓子の製法は諸国に伝えられ、今ではお菓子の名前のみが知られることとなりました。薯蕷粉、糯粉に砂糖を加えて蒸した外郎は、あっさりと滑らかな持ち味で、春から夏の上菓子に多く使われるものです。
【あ行】浮き粉(うきこ)
小麦でんぷんを精製した粉状のものを浮き粉、または本浮き粉といいます。また甘藷でんぷんで代用したものも浮き粉として市場に出ていることもあります。まんじゅうの皮やギョーザの皮、卵焼きやたこ焼きをふっくらと仕上げる増量剤として使われます。